言語障害を克服するために

2016.10.24

 言語聴覚士さんのリハビリですが、テキストを読んでいると特定の単語でいつも引っかかります。

 これは実に不思議な現象で、仮に「私の名前はタロウです」という文章があり、その中のタロウという部分で引っかかると、何回読み直しても引っかかります。

 頭の中では読み方は分かっていますが、それが言語を発する運動領域にうまくつながらないという感覚です。

 しょうがないのでタロウの部分を、ひらがなのタ、ロ、ウという文字に分けて、一つずつ発音していくと何とか発音できます。

 ところがそれができたからと言って、いきなり3文字をつなげてタロウといおうとすると言葉が出なくなります。

 何回も分けたりつなげたりしているうちになんとか発音できるようになるので、「やれやれこれでなんとかこの字は克服か」と安心しますが、それで本当に克服できたのか?

 心配になって、新聞記事で苦労した部分をチェックし、コピーを取ってもらいました。うまく言えるように練習し、とりあえず終了。数日後記憶が定着しているかどうかを確認してみました。

 結果は・・・・なんとやはり引っかかる。つまりやり直し。ただし事前の学習効果は少し残っているようで、うまく言うための努力は最初ほどではありません。

 つまり言語障害が生じるような単語を見つけたとき、その場で必死に練習をすれば、その場は何とかうまくごまかせるのですが、数日後に同じ単語にぶつかるとやはりひっかかってしまうということです。ただしひっかかってから回復するまでの時間は、事前の練習量で若干短縮できる感じです。

 思考と運動機能の統合だと思われますが、例えばボールを投げてストライクに入れるという練習をします。初めてやったら最初はボールはどこに行くかは全く不明です。

 しかしその日一生懸命練習して、7割ぐらいストライクゾーンに入ようになったとして、数日後同じ練習をしたら、やはり最初は3割ぐらいしかストライクに入らないのではないでしょうか。それを練習によって再び8割ぐらいまで成功率を上げると、次回の練習では4割ぐらい入る、ということになりそうです。

 同様に、読めなかったもしくは読みにくかった文字を練習すれば、次回はすぐに読めなくても読めるようになるまでの時間が短縮できるということなのかなと思います。

 というわけで、今私はこれまで当たり前のように読めた単語で引っかかったり、おしゃべりをしている最中に突然呂律がまわらなくなったりする現象に遭遇していますが、めげずにしゃべり続けるしかないという結論になりそうです。



手術一か月後のリハビリ内容



手術後のリハビリ


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