小脳の構造からふらつき対策を考える

2018.5.13

 人間の後頭部、頭蓋骨の下部、うなじと呼ばれている部分のちょっと上あたり?の内部に小脳があります。

 私のクモ膜下出血の部位は、この辺りで起きたと思われ、その影響が若干小脳におよび、運動機能の低下に影響していると思われるのですが、昨日紹介した書籍には、小脳の構造や働きが簡潔にまとめられています。

 特に「意識しなくてもバランスをとって立っていられるのは小脳のはたらき」によると書かれていますので、私の「ふらつき」はやはりこの小脳の影響によるものだろうなという気がします。

 小脳の解説で驚いたのは以下の二点。

・ 体積は脳全体の10分の1なのに、表面積は大脳の75%となる

 小脳の表面には細かいひだが多数あるため、表面積が大きくなっているようです。ちなみに小腸の内側には柔毛と呼ばれる突起物があり、これによって小腸の内側の面積が大きくなり、消化吸収を助けていると聞いています。

 小脳の場合は、消化吸収ではなく姿勢制御や運動機能のための演算処理がこの部分で行われているため、多数のネットワークが小さな容積に中に納まることにより、ネットワークの密度が高まり処理能力をアップしているのかなと思います。

・ 小脳は体全体の動きをセットにして記憶している

 これも「なるほどな」と思ったのですが、例えば「歩く」という動作も、全体の重心を前に傾け、右手を後ろに引いて、左足を一歩前に出して、なんてことを一つ一つやっていたら、その動きはロボットと似たようなものになるわけですが、こういった動作を一つのセットで覚えているということのようです。

 というわけで、私の場合の「ふらつき」の原因は、小脳内の一部の細胞が出血により影響を受け、本来なら無意識のうちに維持するはずの平衡感覚ネットワークの一部が阻害されているということになるようです。

 であるならば、そのネットワークの修復もしくはバイパスが出来上がれば「ふらつき」は改善するということになるわけですが、ではどうやって意図的に修復もしくはバイパスを作ることができるのか?

 結局結論は曖昧なものとなり、これまで書いてきたことと同じですが、歩いたり片足立ちをしたりして、平衡感覚の必要性を脳にしみこませる作業が必要なのではという気がします。

 しかしここでもやはり、そんな方法で、必要性を脳が認識するのかという疑問が湧きます。この辺りは「それを信じて行うしかない」というのが目下の私の結論です。


神経幹細胞の存在



高次脳機能障害


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